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6月に送って頂いた新田保育園のどてのこを読んで・・・ 2 世界の料理
子供達はそのお料理を楽しむだけでなく、世界各国の『頂きます!』も学んでいます。
以前、“子供達の目の前で握るおにぎりのお話”をご紹介させて頂いた新田保育園の給食のお話をまたまた、させて頂きます。今年度から、新田保育園では、毎月1回で世界の料理を取り入れているのだそうです。4月は韓国料理、5月はスペイン。6月はブルガリアの料理を出す予定だそうです。
4月の給食のスケジュール表を見て子供たちは、『明日は韓国のご飯なんでしょう?』と前日から興味津々だった様です。『韓国では、頂きますはどうやっていうんだろう?』と世界の料理のお話でもちきりだった様です。料理が出される当日には、子供達は『アニョハセヨー!』とご挨拶。子供達は、韓国に旅行に行っているかの如くだった様です。メニューは、ビビンバ・ヤンニョムチキン・スティックきゅうり・ミヨックク(ワカメスープ)だったそうです。
栄養士さん調理師さん達は、子供達でも食べられる様に辛すぎず、しかし本格的な韓国料理に近い形で料理を提供出来る様にそれぞれのメニューに様々な工夫を凝らしていらして、献立と調理法の立案段階から大変なご苦労があった様です。調理方法の工夫だけでなく、当日の給食と一緒に韓国語の“いただきます”。“ごちそうさま。”の挨拶や、国の場所などを説明した紙を給食を乗せたワゴンに貼ったそうです。その紙を見ながら、『ちゃるもっけすむにだー(頂きます)』と給食の時間がスタートしたそうです。園児達はどれもよく食べたそうですが、辛くならない様にケチャップ・ニンニク・胡麻油で作ったタレに揚げた唐揚げを絡めた“ヤンニョムチキン”が一番人気だった様です。クラスから戻ったワゴンはほとんど空っぽ!園児達は、口々に『美味しかった!また作ってね。』の嬉しい言葉が返って来たそうです。栄養士さん達は、『作って良かった。』と嬉しさが込み上げて来たと書いてありました。
世界には、たくさんの料理があるという事をしてもらいたいという願いの元で始められた『世界の料理』。想像以上に楽しみにし、“食べる。”という事で、作って下さった方に感謝の気持ちを伝える。素敵なコミュニケーションだと思いませんか?今、栄養士さん、調理師さん達は、誕生会や行事食より献立や調理法に頭を悩ませているのだそうです。でもその苦労が吹き飛ぶくらい、園児達が美味しいと感じ、笑顔や本音でその喜びを伝えてくれています。だから、また頑張れる。
保育園には、様々な国の方が通われているそうです。異国のお母様やお父様にはその国の料理を教えて頂きたいとお声を掛けていらっしゃるそうです。異国から遠い日本に来て、自分達の国の料理をたくさんの園児に紹介して食べてもらえるなんて、あまり考えてもいらっしゃらなかったのではないでしょうか?異国のご両親のお子様は、その料理をお友達が食べてくれて、美味しいと評価してくれたら、そんな誇りに思える嬉しい事はないのではないでしょうか?そして、日本の友達ともっと仲良しになれるきっかけにもなるのではないでしょうか?メニューを聞いて、美味しかったとお子様から伝えられた日本のお母様やお父様は、自身も食べてみたいと思われるだろうし、ご家族の夕食の一品としてテーブルを飾るかもしれません。
園児が保育園で過ごす時間の中で給食の時間は、ほんの短い時間でしかないかもしれません。でも、今年度から始めた『世界の料理』は、時間以上に食の大切さを伝え、子供達同士、子供と大人の結びつきの“輪”を広げている様に思います。
園児達が、食を通じてその国の場所や言語を学ぶきっかけになる事もなんて素敵なお話でしょう?もしその国に訪れる事があったら、まず大事なのは、寝る場所の確保と食べる事です。それを園児達自身が自発的に知りたいと思い、学んで行く。たった一月に一回、給食の短い時間かもしれませんが、園児達は食する事を通じて、柔軟な頭で、もっと身近に感じ、会得して下さっているのではないかと思います。食べる事が園児一人一人の頭の中で、水に落とした小さな石が水に何重もの輪を広げるように輪を広げているのだと思います。
私は、この事をお伝えする事で、これを読んで下さる方々に、自身が働いている職場の給食にアイディアを取り入れて頂いたり、夕食のメニューにお困りのお母様方にトライして頂ける結果につながればと思っています。そして、世界各国の方々と食を通じて友情の輪が広がる事を願います。“食べる事”はやっぱり幸せで、楽しいと思っているバーバでした。
