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私が考えるいじめの解決方法に大切な事
一つは、先にも述べた中間点に立つ人の役割。 もう一つ大事な事は、いじめの火種を大きくしない前に一つ一つのいじめを解決する事
少し前に元東宮侍従の浜尾 実氏の殿下とともに”の中に書かれた美智子妃へのいじめのお話を取り上げました。今回は、私が考えるもう一つ大事ないじめの対処法の私論を書いてみたいと思います。
大人の世界では、兵庫県知事のパワハラに関する百条委員会、フジテレビの第三者委員会などでパワハラ行為に関する調査報告がなされたり、処分が下ったりなどがありました。パワハラも一つのいじめ行為なのだと思いますが、私はこの様に事を大きくするまで取り組まずに来た事が一番の問題である様に思います。その間、いじめをしている人はそうしている事に気付けていないし、いじめられている側は何度もその行為を受け続けています。
“ミステリーという勿れ”というドラマの中でも主人公が述べていましたが、『いじめている側も病気なんです。間違っている事を教えてあげなくてはいけません。』という様なセリフがあったと思いますが、“病気”というのは語弊があるかもしれませんが、いじめている側は、当然の指摘と思ってその言い方や態度が間違っているとは全く思っていないのです。言われた側は、その都度反論や、納得いかない指摘はなかったのでしょうか?もし無かったなら、その指摘は当然で、相手側の自分に対する“教え”として学ばなければいけないのだと思います。でも、聞きながら納得いかない何かがあるから、悶々として、心を痛めてしまうのではないでしょうか?何故、その一つ一つの指摘にその場で上司と向き合わなかったのでしょう?上司が怖かったですか?でも、その一つを解決せずに有耶無耶にしたら、次はもっとやられます。されてきた人には思い当たる節があるんじゃないでしょうか?でも、している側は、そんなこと気付いてもいないし、言ってしまった後に『言い過ぎた。』と言われた側の胸の内を慮る事なんてしていないんですよ。“病気”なんですから・・・(すみません。ちょっと言っている側に言い過ぎていますが・・・)
その場で言われた側と言った側が、指摘の内容をコミュニケーションしていれば、もっと早く、もっと確実に、もっとお互いが傷つかない解決法があったんではないでしょうか?
一つ一つの火種を大きくしないための対策法としての“いじめ”の例としては、適当でないかもしれませんが、私が医師になって半年位が経過し、私より年下の上司とコンビを組んだ時の事をお話しします。精神的な問題を抱え、入院してきた女子中学生がそのお話の主人公です。半年くらい経つと、上に立つ先生は、かなりの部分を下っ端に任せ始めます。その子の事も『俺には解らないからお前ができるだけ話を聞いてやれ。』と任せっ放しでした。私と患児の関係は上手く行きませんでした。夕方のミーティングの時に私はいつも『・・・という点がうまく行っていないので、先生も私と一緒に患児の元で直接話をして下さい。』とお願いしました。でも、『お前がやれ。』の一点張りでした。その内、彼女の心が壊れて来てしまったのです。それまで真面目に勉強が遅れない様に勉強して来た子が、病棟を大声を出して徘徊したり、通販カタログで物を買いまくったりし始めてしまいました。お母様からは当然のクレーム。回診時には、教授からの突き上げです。私の上司は、『お前のせいだ!』と言われました。でも、私は黙っていませんでした。『上手く行っていない事は何度もお伝えしました。その度取り上げてくれなかったのは、先生の方です。私は、患児の元で一緒にお話しして頂く様お願いしました。』とナース室で、上司相手に怒りの目線で目も背けず言い返しました。周りの同僚もNsもビックリ!(大声ではなく、静かに淡々と行ったんですがね・・・)上司も一言の反論もせず、その場では何も言わず立ち去りました。次の日には、『俺がこの子を診るから、指示された事(採血他の雑用)だけやってくれ。』と仰り、毎日毎日患児の元を訪ねお話を聞き、私に指示をなさいました。一つの問題解決です。その後も一緒にコンビを組んで頂いている間は、私の話に耳を傾けてくれました。勿論、出来ていない事は沢山叱られもしました。ご自身は、『全く、大変な奴とコンビを組まされた。』とは思っていらしたと思うのですが、私はそれから自分の思いは聞いてくれないかもしれなくとも、まずは言ってみて掛け合ってみようと思いました。
このお話には、嬉しい後日談もあるのです。患児は、心を取り戻し、退院してご自宅に戻られました。後日病棟を訪ね、小児病棟の婦長さん(今は師長さんというのですよね)に『あの時の事を先生(私)に謝りたい。』と言って下さったのだそうです。婦長さんは、『それなら自分で直接謝りに行きなさい。』とアドバイスして下さいました。そして患児は、後日私に会いたいと訪ねて来て下さったのです。丁度回診が始まる時。私はさらに上の上司に掛け合い、『**ちゃんが会いたいと言って来てくれているので、行って来ても良いですか?』と訊ねました。事情はご存知の上司は、『行って来なさい。こっちは、僕たちでやっておく。』と言って私に時間を下さったのです。私は、大急ぎで彼女の元に駆けつけ、彼女の大好きなオレンジジュースをご馳走しながらお話ししました。謝ろうとする彼女に私は、『謝らなくて良いよ。私も未熟で何もしてあげられなかったんだから・・・』と話しました。彼女はホッとしてくれて、サヨナラをして帰りました。めでたし、めでたしです。
私は、きちんと言い分を聞いてくれる上司に会えてラッキーだったのかもしれません。でも、それも言う勇気を持てたから解った事です。言わずに悶々としていたら解らなかった事です。
百条委員会で出て来たパワハラもフジテレビの第三者委員会で話し合われた事にも一つ一つもっと早い解決法は見出せたのではないでしょうか?その為には、言われているパワハラを受けている人の勇気が必要です。でも、心を痛めて仕事が出来なくなってしまうより、退職してしまわなければならなくなるより、最後には体まで壊してしまうより、ズーッと楽な事なんじゃないでしょうか?その間に立つ中間点の人達も、見て見ぬ振りをしないで助けるための勇気を振り絞る事が必要です。中間点に立つ人も、そうして心救われた人がいてくれたら自分のした事を誇りに思えるんじゃないでしょうか?それをし合う事で、お互いを慮れる、お互いを助け合う素敵な人間関係が出来るのではないでしょうか?
これを読んでくれた方で、『じゃあ、私のこんないじめはどう対処したらいいの?』と思っている、いじめられている人や『こんな風にいじめられている人を、どう助けたら良いの?』と思っている中間地点の人は、私のブログにコメントして疑問を投げかけて下さい。一緒に考えましょうよ。そして、小さな火種を消しましょうよ。そうしたら、火事は起こりません。
自分自身が、何をしたいか?何をしたくないか?を実践する為には、自分の健康な体、健康な心、命が大事なんじゃないでしょうか?それがなければ、したい事も出来なくなります。フジテレビで被害に遭われた女性は、求めに応じなければ積み上げてきたキャリアを失うのではないかと懸念し、我慢し続けました。結果、彼女は身体と心を壊し、仕事さえ出来ない状況に追い込まれています。我慢して守りたかったやりたい事もやれなくなってしまいました。健康な体、健康な心、命がなければ、それ以上の事は出来ないんですよ。嫌な事、やりたくない事にはNo!を突き付けられる勇気を持って下さい。一つ一つ小さな火種の時に取り組んで下さい。私は、きっと良い結果が待っていると思います。
傷付いてしまったフジテレビのアナウンサーの方が、一日も早く、健康な体、健康な心を取り戻して下さる事を心から願っているバーバでした。今は、心穏やかに毎日を過ごす事をガンバレ!