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日本のチカラという番組で紹介された切り絵作家さんの親子関係から感じた事
~親子関係の素晴らしさに出会う度、私はコウノトリさんに授けた神様の力を感じます。~
私は日本のチカラという番組を録画して毎週見ます。決してお会いしたり、お話ししたりする機会は得られないだろう方を知る事が出来るからです。毎週、素敵な方が紹介されます。つい先日も素敵な切り絵作家さんが紹介されました。
彼は、先天性疾患の為、上肢・下肢の全長が短く、手指が正常の方の様には機能しません。でも、車を運転し、車椅子に乗り換え、色々な場所で撮った写真を題材にして、拡大コピーした写真を下絵に口にナイフを咥え切り絵を作っています。黒を基調にして作られた作品はどれも素晴らしいです。健常者の方と共に企業で仕事をする傍ら、毎日2時間は作品の制作に取り組んでいらっしゃる様です。
切り絵の作品の制作も素晴らしいのですが、もっと感動したのは彼の生き方です。そして、ご両親との絆です。小さい頃からの病気ですし、その頃の日本では、バリアフリーの公共の場所も住宅環境も整ってはいなかったのではないかと思います。ご自宅での養育は無理と考えたご両親は、施設に彼を入所させました。お母様は、頻回に施設を尋ねられ、ご自宅で育ててあげられなかった事で訪ねる度涙を流しておられた様です。そのお母様の姿を見ていた時のお話も放送されました。彼は、そうせざるを得なかったご両親を恨む気持ちなど微塵もありませんでした。そして、今切り絵作家として、撮影したお母様の写真を下書きに、お母様を描いた作品が一番多いのだそうです。
現在お住まいになっているお宅にもビックリしました。どんなバリアフリーが施されているのだろう?と思って見ていたのですが、全く特別なお宅ではありませんでした。普通の賃貸の一室でした。その部屋の中をご自身が使いやすい様に便利グッズを売っているお店で踏み台や洗濯干しの手・腕の代わりをしてくれる物など、資材を購入し、ご自身で製作を加え利用されていらっしゃいます。ヘルパーさんをお願いするのも月に1回程度。料理、後片付け、洗濯、洗濯干し、取り込み全てご自身でなさいます。
職場へもご自分で運転されて向かい、ご自身のデスク周りはコンピューター等の機器が使い易い様に配置や工夫をされています。お昼は社員食堂で、食事をご自分でテーブルに運び、下膳も人の助けは全く必要とされていません。
帰宅されてから毎日2時間程度ご自身お作品の製作をされていらっしゃいます。作製に使われる小型ナイフは、手と口に咥えて紙を切って行くので、咥えた跡があり、作品作りの時間経過の長さを物語っています。
一人暮らしに踏み切った時にお母様は大変心配されたそうです。『施設で、人の手も借りながら、余り苦労せずに一生を送ってもらいたい。』そう言う思いだった様です。でも、彼はそれを選びませんでした。そして、今の生活をキッチリ確立しました。別々にお住まいをお持ちですが、頻繁に交流を重ねていらっしゃいます。
私は33年間医療の現場で働き、その半分以上を主に赤ちゃんの事に関わる仕事をしていました。ご両親と赤ちゃんの関わりに触れる度、神様の存在とコウノトリさんの存在を強く感じて来ました。『この子をあの場所に・・・』と言う神様からのメッセージに従って、その場所に適切な赤ちゃんをコウノトリさんが送り届ける。赤ちゃんの出産に立ち会い、その子の最初の数年間に関わりながら、ご両親とお子様の組み合わせの奇跡をなん度も感じてきました。
今回の切り絵作家さんとご両親の組み合わせも、素敵なマッチングだったと思いました。家では育てられなかったけれど、決してお子様との関係を断たず、寄り添い続けたお母様。大工関係のお仕事をされていたお父様のお仕事を見ながら学んだ事で、生活用品の工夫を難なくこなしてしまう彼。ご両親がお預けになった施設で数多くの事を学び、自立する為の基礎をきちんと固めて行った彼。一度は落ちてしまったけれど、教習所の方に『障害を持って、試験に落ちた方でも再チャレンジし、合格している方はいますよ。』と励ましを受け、見事に運転免許を取得し、毎日の生活の移動に欠かせない車に乗って、広い範囲で仕事や作品作りをされている彼。ご両親を含め関わって来た適切な人との出会い、彼自身の努力、チャレンジ精神、全てが人や場所や適切な時がなした事だと私は思います。そして、それは神様がコウノトリさんに授け、コウノトリさんが授けた場所からスタートしました。
長い人生の中で人との関わりや、経過の中で過ごした時間や場所、時には上手く行かない事も沢山あると思います。でも、人生の中で関わった人・場所・時間の全てが何かを伝えようとしている“絆“”意味“がある様に思うのです。その事の中から学ばなくてはいけない事があるのだと思うのです。
もし今、親子関係が上手く行っていないと思っているお子様やお父様、お母様がいらっしゃいましたら、お互いに口を閉ざしてしまうのではなく、その関係に背を向けてしまうのでは無く、その絆の意味をもう一度考えてみませんか?きっとその関係から神様が伝えたかったそれぞれの人へのメッセージがあると思うのです。それを学ぶ事を課題として授けていらっしゃるのだと思います。
今正に、そのことに直面し、問題の紐解きが出来ずに悩んでいらっしゃる方がいたら、一度その思いを直接相手では無くとも誰かにお話ししてみませんか?その関わりで出来た絆も貴方にとっては何かを学ぶ為の大切な関わりです。先ず、お話しし始めて下さい。話す事で解決の糸口が見えて来ます。そういう方と是非お会いしてお話ししてみたいと思っているお節介バーバでした。