父との思い出 1 冷た~いカルピスのお話し
2024/09/19
~暑い夏、幼稚園から帰ると父が作ってくれた冷た~いカルピスを飲める事が幸せでした。~
私は、決して父とうまく行っていた親子関係ではなかったのですが、幼少期には忘れられない沢山の幸せな思い出があります。今年の夏は、凄く暑かったので、スーパーを訪ねる度、カルピスの原液のボトルが目に入りました。『あの時と同じカルピスが飲みたい!』とは何度も思うのですが、独り者の私には量が多過ぎます。かと言って、ペットボトルのカルピスソーダもカルピスウオーターも味が違うんです。それでも、何ででしょう?今年は何故かカルピスが飲みたかった。つい最近、同じスーパーで特価のリンゴ味のカルピスのペットボトルに出会いました。濃そうだし、もしかしたら期待出来るかも・・・と購入しました。
冷やして、やっと飲める日がやって来ました。グラスも冷たくして、ペットボトルをよく混ぜて、グラスに注ぎました。でも、濃厚なんだけれど、カルピス味が隠れてしまって、リンゴジュースでした。ガッカリ。もう夏も終わりなので、今年も私の飲みたいカルピスは飲めそうにありません。
父の作ってくれるカルピスは、格別でした。今とは時代が違って、沢山の美味しスウィーツがあるわけではなかったので、おやつに飲めるカルピスは、夏のオヤツとしては最高でした。父は、それを朝から仕込むのです。その当時は、氷といえば氷屋さんで買う物だったので、20cm角の氷を買って来て、それが入る大きな保冷ジャーにそのまま入れるのです。その中にビールの大瓶位に入ったカルピスの原液をドバドバ入れるのです。そして後は水を足さず蓋をしてただ待つだけ。その頃の保冷ジャーは、そんなに性能が良くありません。時間をかけて氷が少しずつ溶けていき、私が帰る頃には氷は半分くらいに小さくなっていました。そのジャーの蓋を開けて、金で出来た柄杓の様な道具で溶けた氷と混ぜて準備完了です。自営業でしたので、店舗件自宅で私を出迎えてくれた父は、帰ってきた私に『カルピス飲むか?』と聞いてくれるのです。私は、『飲む!』と一言。コップに入れて出来立てのカルピスを差し出してくれました。小さい手の私は、それを両手で抱えて一気にゴクゴク飲み始めます。飲み終えて、口の周りが白いカルピスで濡れている私に『美味しかったか?』と必ず聞きました。私は、大きく頷いて『ウン!』。父は、『そうか』と頭を撫でてくれるんです。その光景は今も忘れられない。本当に美味しかった!お陰で、私の乳歯は“味噌歯”(ほとんど全ての歯が虫歯で、お歯黒の様な状態)でしたけれど・・・。
小さい私にカルピスを作ってくれた父は、数年前に他界しました。今年はためらって買えなかったのですが、来年は、夏早めに原液を買って、“父のカルピス”作りにチャレンジしてみたいと思います。
私は、決して父とうまく行っていた親子関係ではなかったのですが、幼少期には忘れられない沢山の幸せな思い出があります。今年の夏は、凄く暑かったので、スーパーを訪ねる度、カルピスの原液のボトルが目に入りました。『あの時と同じカルピスが飲みたい!』とは何度も思うのですが、独り者の私には量が多過ぎます。かと言って、ペットボトルのカルピスソーダもカルピスウオーターも味が違うんです。それでも、何ででしょう?今年は何故かカルピスが飲みたかった。つい最近、同じスーパーで特価のリンゴ味のカルピスのペットボトルに出会いました。濃そうだし、もしかしたら期待出来るかも・・・と購入しました。
冷やして、やっと飲める日がやって来ました。グラスも冷たくして、ペットボトルをよく混ぜて、グラスに注ぎました。でも、濃厚なんだけれど、カルピス味が隠れてしまって、リンゴジュースでした。ガッカリ。もう夏も終わりなので、今年も私の飲みたいカルピスは飲めそうにありません。
父の作ってくれるカルピスは、格別でした。今とは時代が違って、沢山の美味しスウィーツがあるわけではなかったので、おやつに飲めるカルピスは、夏のオヤツとしては最高でした。父は、それを朝から仕込むのです。その当時は、氷といえば氷屋さんで買う物だったので、20cm角の氷を買って来て、それが入る大きな保冷ジャーにそのまま入れるのです。その中にビールの大瓶位に入ったカルピスの原液をドバドバ入れるのです。そして後は水を足さず蓋をしてただ待つだけ。その頃の保冷ジャーは、そんなに性能が良くありません。時間をかけて氷が少しずつ溶けていき、私が帰る頃には氷は半分くらいに小さくなっていました。そのジャーの蓋を開けて、金で出来た柄杓の様な道具で溶けた氷と混ぜて準備完了です。自営業でしたので、店舗件自宅で私を出迎えてくれた父は、帰ってきた私に『カルピス飲むか?』と聞いてくれるのです。私は、『飲む!』と一言。コップに入れて出来立てのカルピスを差し出してくれました。小さい手の私は、それを両手で抱えて一気にゴクゴク飲み始めます。飲み終えて、口の周りが白いカルピスで濡れている私に『美味しかったか?』と必ず聞きました。私は、大きく頷いて『ウン!』。父は、『そうか』と頭を撫でてくれるんです。その光景は今も忘れられない。本当に美味しかった!お陰で、私の乳歯は“味噌歯”(ほとんど全ての歯が虫歯で、お歯黒の様な状態)でしたけれど・・・。
小さい私にカルピスを作ってくれた父は、数年前に他界しました。今年はためらって買えなかったのですが、来年は、夏早めに原液を買って、“父のカルピス”作りにチャレンジしてみたいと思います。